夏休みの読書が子どもの健やかな成長を育む 

チャリティ・キャントリー & ジェニファー・ギブソン=ミリス 「子どもが読みたい本を自由に読ませ、その内容について話し合ってみましょう」 ―ジュディ・ブルーム 夏休みは、休息、遊び、そして家族との絆を深める大切な時間です。読書は、そのようなバランスのとれた時間を過ごしながら、毎日の生活の中に自然に楽しく取り入れることができるものです。教育メディア『Reading Rockets』によると、夏休みの間も読書を続ける生徒は、読み書きの力を維持することができ、新しい学年での学びに向けた準備ができていると感じる傾向にあるようです。 私たち図書館司書は、読書を楽しむことが、学力だけでなく、ほかの多くの面でも子どもたちの成長の支えになることを知っています。読書を通して、子どもたちは共感力を育み、新しい視点に出会い、語彙を増やし、ストレスを軽減し、周囲の人とのつながりを深めることができるのです。イェール大学医学部による研究でも、物語や読書が子どもの心身の健康にプラスの影響を与えることが示されています。 興味のある本を自分で選ぶことができれば、子どもたちはもっと読書を続けやすくなります。グラフィックノベル、ファンタジー作品、スポーツ雑誌、漫画、ノンフィクション、料理本、オーディオブック、あるいは自分のアイデンティティや興味に関連した物語など、選択肢がたくさんあれば、子どもたちは読書に長く親しみ続けることができるのです。カナダ学校図書館協会などの団体は、夏休みの読書では、「読書の楽しさ」を味わいながら、「生涯にわたる読書習慣」を身に着けることの大切さを提唱し続けています。 ご家庭で実践できること  夏休みの読書は、難しく考えたり、細かい計画を立てたりする必要はありません。毎日の生活の中にほんの少し読書の時間を取り入れるだけでも、子どもたちには大きな変化が生まれます。ご家庭で実践できるアイデアを、以下にいくつかご紹介します。 お子様が興味のある読み物を、自分で選べるように後押ししてあげましょう。 お子様と一緒に本を読み、物語の内容や感想、あるいはニュースの話題について話し合ってみましょう。読書から生まれる対話は、家族の絆を深めるきっかけにもなります。 書店や地元の図書館、あるいは母国の図書館を訪れたり、夏休み期間中にお住まいの地域で行われている読書関連のイベントを探したりしてみましょう。 就寝前に本を1章読む、移動中にオーディオブックを聴く、プールやビーチで雑誌を読むなど、読書を日々の生活の中に取り入れ、リラックスして楽しむ時間にしましょう。 当校の YIS Wheelers 電子書籍・オーディオブックコレクション を利用して、さまざまな形式の書籍をお楽しみいただけます。生徒は YIS の Google ログイン情報を使ってアクセスできます。オーディオブックや電子書籍は、多言語で読書をする子どもたちや、予定が多くなりがちな夏休み期間中にお使いいただくには大変便利です。 YIS 図書館は6月19日まで開館しております。新学年度は、8月の始業時に利用を再開する予定です。 多言語環境のご家庭の場合 読書は、どの言語で行っても、子どもたちの読み書き能力の発達につながります。ご家庭では、最も使いやすい言語で、読書や読み聞かせ、お子様との会話を楽しんでください。複数言語を使用されるご家庭の場合、母語で読書をすることは、子どもたちのアイデンティティの形成、語彙力や理解力の向上、複数の言語に対する自信を育むことにもつながります。 PTSA サマー・リーディング・イベント […]

Summer Reading and Helping Children Thrive

By Charity Cantlie and Jennifer Gibson-Millis “Let children read whatever they want and then talk about it with them.” Judy Blume Summer is a time for rest, play, and family […]

音楽の力を通じて人々をつなぐ 

地区サービス・グループ この一年間、高等部の地区サービス・グループに所属する生徒たちは、中区寿町のコミュニティとの新たな連携の機会をつくり出すことを目指し、横浜市健康福祉局と有意義な関係を築いてきました。 生徒たちは、数々のミーティングややり取りを経て、第一回目の合同イベントとなる音楽コンサートを、4月24日(金)に横浜市寿町健康福祉交流センターで開催しました。このコンサートでは、「The Power of Music」サービス・グループに所属する生徒らと、9年生および10年生の琴クラスの生徒たちが、演奏を披露しました。生徒たちは、寿町の方々と一緒に、今後もさまざまな地域のイベントや取り組みに参加していきたいと考えており、今回のイベントはその貴重な第一歩となりました。 このイベントは、企画・運営を担当した生徒たちの多大な努力により実現しました。以下、今回のイベントがもたらした影響についての生徒たちの感想をご紹介します。 リサ(11年生) このイベントでは、人との直接的なつながりや交流を通して、たくさんの思い出深い経験をすることができました。まず、障害を抱えた方もそうでない方も含め、20代から80代までの年代の、実に幅広い層の方々が来場してくださったことに驚きました。また、このように多様な方が集まったにもかかわらず、互いに対する偏見や批判的な雰囲気がまったくなかったことは、とても素晴らしいことだと思いました。イベントのハイライトのひとつは、私と同年代のダウン症の女の子との交流でした。私が来場者の方々に、琴の演奏で使うピックを見せていたとき、その女の子がピックを自分の指にはめて、「いつか私も琴を弾いてみたいな」と話しかけてくれたのです。このやり取りがきっかけになって、彼女の中に新たな興味が芽生えたという事実に深く感動し、とても満たされた気持ちになりました。 リツカ(11年生) 今回の音楽イベントの開催は、苦労もたくさんありましたが、大きな喜びを感じられた経験でもありました。まず、寿町のスタッフの方々とのやり取りでは、常に礼儀正しく対応することが求められました。数多くの会話やメールでのやり取りをしましたが、その中で、私の日本語でのフォーマルなコミュニケーション能力が向上したことは間違いありません。イベント当日は、チームの取り組みが生み出した成果を目の当たりにすることができました。年齢もバックグラウンドも異なる来場者で埋め尽くされた会場を目にしたとき、大きな達成感を感じました。寿町コミュニティを活気づけることが、今回のイベントの目的だったので、終了後に来場者と出演者双方の顔に笑顔が浮かんでいるのを見たときは、なんとも温かい気持ちになりました。イベントに関わったすべての方々に楽しんでいただけたことが、私にとって何よりの喜びでした。 カイト(9年生) 今回のイベントを通じて、私たち全員が、寿町とその周りに住む地域の方々と交流し、皆さんとの距離を縮められたように思います。コンサート終了後、あるお年寄りの男性が近づいてきて、「次はビートルズの曲を演奏してよ」と言われたのですが、その時はじめて、寿町の地元の方々と本当に親しくなれたように感じました。以前にも「炊き出し」やおにぎりづくりに参加したことはありましたが、これまで何年間も支援してきた地元の方々と実際に交流したのは今回が初めてで、一生忘れられない貴重な経験になりました。地元の方々とのつながりをさらに深め、お互いをより深く理解するために、今後もこのようなイベントを続けていくべきだと思います。 ラファエル(9年生) 今回のイベントは、寿町の地区センターの方々とのつながりを深めることができ、とても意味のある貴重な経験でした。これまで炊き出しに参加したことはありますが、それ以外には、このように年齢もバックグラウンドも異なる人々と交流する機会はあまりありませんでした。音楽イベントでは、来場者の皆さんが共に演奏を楽しみ、和やかな雰囲気のなかで過ごしてもらえたと思います。来場者と出演者が言葉を交わし、楽しんでいる様子を見て、自分たちの取り組みを誇らしく思いました。この経験を通して、このような音楽や地域のイベントが、いかに人々を結びつけ、強い連帯感を生み出すことができるかについて、理解を深めることができたと思います。 今回のイベントでは、音楽・交流・経験を共有することで、コミュニティ同士のつながりを強めることができました。私たち皆が、3つのコミュニティの間に強い絆があることを感じました。このつながりが今後さらに発展していくことを楽しみにしています。 このイベントのために、素晴らしいポスターを作成してくれた11年生のスズキさんをはじめ、マキューン先生、クラム先生、グリフィン先生、また、イベントの細部に至るまでサポートしてくださったその他の方々に、深く感謝申し上げます。また、YIS の音楽コミュニティの皆さまのご支援とご尽力により、計り知れない学びの機会を与えていただきましたことに、心より御礼申し上げます。最後に、素晴らしい演奏でこのイベントに活気と興奮をもたらしてくれた、「The Power of Music」のメンバー、そして9年生と10年生の琴クラスの皆さんにも、大きな拍手を送りたいと思います。

小学部 読書マラソンイベント 

高等部図書委員会 高等部図書委員会は、4月8日から27日にかけて、キンダーガーデンから5年生の小学部の生徒を対象に、「読書マラソン(Read-A-Thon)」イベントを実施しています。 「読書マラソン」の仕組みは、チャリティマラソンや「ウォーカソン(Walk-A-Thon)」と良く似ています。生徒は、保護者やご家族、またはご近所の方から、少なくともひとりのスポンサーを見つけ、10~20分の読書時間に応じて一定額を寄付することを約束してもらいます(読書時間の目安は学年によって異なります)。なお、寄付はあくまでも任意です。 「読書マラソン」で集まった寄付金は、すべて「Room to Read」という非営利団体の支援に充てられます。「Room to Read」は、助成金をもとに教材や教育プログラムを提供し、アジアやアフリカの恵まれない子どもたちの識字力向上に取り組んでいる団体です。 合計の読書時間が最も長かったクラスには、図書館に寄贈する本を選ぶ権利が与えられます。恵まれない子どもたちの生活をより良くするために貢献した証として、選んだ本には、優勝したクラスの生徒全員の名前と、クラスで選んだメッセージを記す予定です。 ご不明な点がございましたら、gibsonmillisj@yis.ac.jp までメールでお問合せください。

Elementary School Read-A-Thon

By The HS Library Council The High School Library Council is currently hosting the ‘Read-A-Thon’ (April 8-27) for Elementary School (Kindergarten – 5th Grade).  The Read-A-Thon, in structure, is similar […]

本棚のその先へ:YIS 図書委員会による学校コミュニティへの貢献

図書室司書 チャリティ・キャントリー, ジェニファー・ギブソン-ミリス & ジャンシー・クラーク 本校の図書室は、生徒たちの探究活動と協働作業の場として中心的な役割を担っています。今年度は、小学部・中学部・高等部の図書委員会が中心となり、意義深い取り組みや創意工夫溢れるプロジェクトを企画し、本校の読書文化づくりに積極的に貢献しています。私たちの図書室を誰もが利用でき、本当の意味で生徒中心の空間にするために、図書委員会の生徒たちが実際にどのような取り組みを行っているのかをここでご紹介したいと思います。 小学部図書委員会 小学部図書員会は、図書室に大胆なアイデアと生徒たちの声を届けるために、さまざまな活動に取り組んでいます。生徒たちは、図書室の取り組みをさらに充実させるために、工夫を凝らした本のディスプレイづくりや楽しい試読会(ブック・テイスティング)の開催、しおりデザインコンテストの企画など、さまざまな提案を出し合いました。 委員会のメンバーたちはお互いに協力して、図書室をより居心地よく、もっと利用しやすい空間にするためにはどうすればよいかについても話し合ってきました。その中で、本のテーマ別ディスプレイや分かりやすい案内表示、生徒が新しいジャンルの本に出会えるようなインタラクティブな仕掛けなど、多くのアイデアが提案されています。 さらに、生徒たちがいつも楽しみにしている本の読み聞かせについても意見を交わし、このような読書の共有体験を通して、自分たちが関心を持っているトピックやテーマへの関わり方をどのように深めていけるかについても考えました。こうした話し合いやデザイン活動を通じて、生徒たちは自分たちの関心や読書への思いが反映された図書室づくりに主体的に関わっています。 中学部図書員会 中学部図書委員会は、中学部の生徒たちの読書活動を推進し、図書室の利用を広げるためのさまざまな取り組みを行っています。今年度の始めには、中学部のホームルーム対抗で「ハリー・ポッター・ブック・トレイラー・コンテスト」を開催し、6Dが見事優勝を果たしました。 また、「読書の楽しさ」を広めるため、バレンタインデーに合わせて「ブラインド・ブック・デート」というイベントも実施しました。このイベントは、表紙を隠した本の中から、冒頭の一行だけを手がかりに本を選ぶというもので、生徒たちは、普段は手に取ることのないジャンルの本に出会う機会を得ることができました。 現在開催中の「マーチ・マッドネス・ブック・トーナメント」は、ホームルームごとにお気に入りの一冊を推薦して、優勝作品を決めるイベントです。どのホームルームの本が選ばれるのか、今から結果がとても楽しみです。 中学部図書委員会では、今後も「リトル・フリー・ライブラリー」の設置やプロモーション動画の制作など、様々な企画を予定しています。どうぞご期待ください。 高等部図書委員会 今年度の高等部図書委員会は、学校コミュニティのつながりを深めることを活動の中心としてきました。その一環として、小学部2年生を対象に、少人数グループでのガイド付き読書セッションを毎週実施しています。このセッションでは、低学年の生徒の読書力向上をサポートするとともに、子どもたちが読書に対する自信を育み、本を読む楽しさを感じられるように支援しています。 また、生徒たちが図書室を自由に利用でき、自分で本を見つけられるよう、より使いやすい図書室づくりにも取り組んできました。さらに、9年生の英語クラスと協力して「シークレット・サンタ」形式の図書交換会を企画し、図書室の利用を促すとともに、生徒同士のおすすめを通して新たな本に出会う機会をつくりました。 今年度の終わりまでに、世界中の子どもの識字力向上と女子教育を推進する団体「ルーム・トゥ・リード(Room to Read)」を支援するために、「Read-a-Thon(読書マラソン)」形式の募金活動を計画しています。このような識字教育支援を通じて、私たちの支援の輪を学校コミュニティの枠を越えて広げていきたいと考えています。   小学部・中学部・高等部の図書委員会は、それぞれ異なる視点やアイデアを、図書室の活動にもたらしてくれています。ですが、そこには本校の読書文化をさらに豊かなものにし、学校コミュニティの絆を深めるという共通の目的があります。生徒たちは、図書委員会による様々な取り組みを通じて、より居心地が良く、誰もが利用しやすく、生徒たちのニーズに応える図書室を目指して環境づくりを行っています。同時に、こうした活動は読書力向上を支えるだけでなく、生徒自身が学校生活に意義あるかたちでどのように貢献できるかを学ぶ、良い機会にもなっています。