TOK とは何か & TOK エキシビションを振り返って

TOK ラーニング・リーダー キム・クリーゲ もし、あなたの世界観を表すものをひとつだけ選ぶとしたら、それは何でしょうか? 子供の頃に大切にしていた人形でしょうか? 愛犬のお気に入りのテニスボールでしょうか? あるいは、鉄道の路線図かもしれませんね。私たちは、知識、そしてそれに対する私たち自身の理解に囲まれて生活しています。ですが、自分が「なぜ」そのように考えるのかと、立ち止まって自らに問いかけることは滅多にありません。過去の経験によって、新しい情報の受け取り方が変わるのはなぜでしょうか? そして、他の人よりも自分が本当に「持っている」と言える知識とは、一体どのようなものなのでしょうか? 毎年、11年生の生徒たちは、「知の理論(TOK)」エキシビションを通じて、これらの問いに取り組みます。この取り組みでは、生徒たちは複雑な TOK の「プロンプト(問い)」を、身の回りの具体的な「オブジェクト(物)」と結びつけ、抽象的な概念を現実世界に関連付けて考える機会を得ます。各生徒は、コーヒーカップや子供の頃のおもちゃなど、身の回りのものから3つ選び、それらを、探究を促す35のプロンプトのひとつに結びつけます。これらのプロンプトには、「知ることが不可能なものは存在するのか?」や「知識は誰のものなのか?」といったものまで、さまざまな問いが含まれています。 生徒たちは、自分たちが選んだ「物」とともに、自身の選択の背景にある TOK の概念を掘り下げ、個人的な洞察や学問的な考察を織り交ぜた考察文を準備します。5月5日(火曜日)に開催された、今年度の11年生の TOK エキシビションには、保護者・生徒・教師が参加しました。参加者は、11年生の生徒たちと直接意見を交わし、その対話は、生徒たちが最終原稿をまとめ上げる過程で、自らの考えを整理し、さらに磨きをかける機会にもなりました。このエキシビションは、TOK コースを構成する重要な要素で、1年間の学びの集大成となるものです。 次にコンビニに行かれた時は、「ここで情報に基づいた選択をするには、どのような知識が必要だろうか?」と、ご自身に問いかけてみてください。あるいは、「セブン‐イレブンのほうがファミリーマートより優れていると、どうしたら本当に『知る』 ことができるのか?」という、古くから存在する議論を展開してみてもよいかもしれません。そして、「どうすればそれを証明できるのか?」と。このような問いかけを通じて、11年生の TOK コースで行われている学びを、皆さまにもより身近に感じていただけると思います。

新たなインパクト戦略の立案について

学校長 カーラ・マーシャル この数ヶ月にわたり、生徒、教職員、保護者、そして理事の皆さまには、学校として進むべき方向性や、新しいインパクト戦略に何を盛り込むべきかについて共に考える様々な活動にご参加いただいてまいりました。 その一環として、4月14日と21日の2回にわたってワークショップを開催し、学校の理想像を支える、いわば「氷山(“aspirational iceberg”)」のような「見える部分と見えない部分」について考える機会を設けました。そこでは、生徒や保護者の方々と共に、本校の最良の未来を支える出来事(events)、行動パターン(patterns of behavior)、思考モデル(mental models)、具体的な成果物や環境(artefacts)について意見を交わしました。また、ワークショップでは生徒たちが記録係として活躍し、保護者の皆さまが互いの意見に積極的に耳を傾け、生徒の学校生活や学校そのものについて質問し、本校の教育活動をより良いものにするにはどうすればよいかと議論する姿を見ることができ、大変嬉しく思いました。 また先般、皆さまのご意見を聞き、学校に対するニーズや期待、課題を把握するため、CIS Community Survey アンケートも実施させていただきました。現在、アンケートで集計したデータから主要な論点や傾向を分析し、そこから新たな洞察を見出す作業を行っているところです。これにより、皆が共通して重視する優先課題や今後の可能性をより明確にすることができます。もちろん、いかなる戦略も、現実から切り離された形で存在することはできません。私たちは、テクノロジー、社会や文化、そして環境に関わる力によって、人々のつながり方や知識の生み出し方が変わりつつある、そのような大変複雑な時代を生きています。ですから、本校の新たなインパクト戦略では、これらの変化をもたらす要因を考慮しつつ、生徒たちの学びとウェルビーイングをしっかりと中心に据えることが大変重要なのです。 5月には、新しいインパクト戦略の最終的な取りまとめを行い、これが次年度にどのような意味を持つのかを明確にしていきたいと思っています。このプロセスと作業については、6月3日(水)午前8時30分より実施する PTSA Community Circle において、皆さまに詳しくご説明させていただく予定ですので、多くの方々のご出席をお待ちしております。 皆さまには日頃より学校活動にご参加いただき、また多大なるご協力をいただき、心より感謝申し上げます。皆さまのお力添えがあってこそ、私たちの取り組みが意義あるものとなり、本校コミュニティにしっかりと根差したものになっていると感じております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

これまでの4カ月を振り返って-そしてこれから 

これまでの約3年間、妻と子どもたちとともに、温かく活気ある YIS コミュニティの一員として過ごしてきた日々は、私にとってかけがえのない大切な時間だと感じています。ようやく冬の寒さが和らぎ、緑豊かな景色へと移り変わるなかで、最近は屋外での時間を楽しむ機会も増えてきました。最近出かけた栃木や山形をめぐる旅では、銀山という美しい場所を訪れたり、蔵王温泉ではシーズン最後のスキーを楽しんだりもしました。 理事会では財務担当として、学校経営陣や他の理事会メンバーの方々と緊密に連携をとりながら、財政面の監督にあたっています。その際には、本校の長期的な安定を確保するための適切な判断を下すことと、生徒たちの学習環境を整えるために投資を継続すること、このふたつのバランスをとりながら慎重に進めています。 また、テクノロジーおよび AI トランスフォーメーションの分野における経験を活かし、変化の激しい現代において、テクノロジーや AI が生徒たちの可能性をどのようなかたちで広げることができるかという議論にも貢献してまいりました。4月に YIS で開催された「AIFE 2026(AI for Education)」に参加する機会をいただいたことは大変光栄でした。教育に根本的な変革をもたらす可能性のあるこの重要なテーマにおいて、YIS が日本で主導的な役割を担っていることを実感でき、大変嬉しく思いました。 年次総会での選挙からまだ4カ月しか経っていませんが、理事会での活動の密度とスピードを振り返ると、もっと長い時間が経ったように感じています。YIS の輝かしい歴史と、保護者・教職員・スタッフ・卒業生の皆さんから成る温かく支え合うコミュニティが、これからの100年の学校の姿を形作っていくのだと思います。このことこそが、子どもたち、そして YIS の未来についての大きな希望と期待につながっているのです。 理事(財務担当) ファビオ・イリノ

小学部 読書マラソンイベント 

高等部図書委員会 高等部図書委員会は、4月8日から27日にかけて、キンダーガーデンから5年生の小学部の生徒を対象に、「読書マラソン(Read-A-Thon)」イベントを実施しています。 「読書マラソン」の仕組みは、チャリティマラソンや「ウォーカソン(Walk-A-Thon)」と良く似ています。生徒は、保護者やご家族、またはご近所の方から、少なくともひとりのスポンサーを見つけ、10~20分の読書時間に応じて一定額を寄付することを約束してもらいます(読書時間の目安は学年によって異なります)。なお、寄付はあくまでも任意です。 「読書マラソン」で集まった寄付金は、すべて「Room to Read」という非営利団体の支援に充てられます。「Room to Read」は、助成金をもとに教材や教育プログラムを提供し、アジアやアフリカの恵まれない子どもたちの識字力向上に取り組んでいる団体です。 合計の読書時間が最も長かったクラスには、図書館に寄贈する本を選ぶ権利が与えられます。恵まれない子どもたちの生活をより良くするために貢献した証として、選んだ本には、優勝したクラスの生徒全員の名前と、クラスで選んだメッセージを記す予定です。 ご不明な点がございましたら、[email protected] までメールでお問合せください。

アイデアをかたちに 8年生 教科横断型プロジェクト

8年生担当 デザイン・英語・I&Sチーム 8年生の生徒たちは、今後数週間で「教科横断型ユニット(Interdisciplinary Unit: IDU)」の第1回プレゼンテーションを開始します。このユニットでは、現実社会の課題に対する実践的な解決策の考案に取り組んでいます。 このユニットでは、デザイン・英語・I&S(「個人と社会」)の学びを結びつけ、教科の枠を越えてスキルや知識を応用することが求められます。生徒たちは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関する探究学習の中で、地球規模の課題についてリサーチし、その原因や影響を分析し、現実的かつ意義のある解決策の考案に取り組んでいます。 このプロセスの一環として、生徒たちはグループに分かれて製品やイニチアチブを考案し、その目的・実現可能性・潜在的な影響について発表するプレゼンテーションを準備しています。このプロジェクトで重視しているのは、最終的なアイデアだけではなく、その背後にある思考のプロセスです。つまり、生徒たちがどのようにリサーチを行い、情報を評価し、関係者の立場を考慮し、時間をかけてアイデアを磨き上げていくか、という点です。 この学びのプロセスをより明確にご理解いただくために、生徒たちのリサーチ資料やプロセスジャーナルなど、制作中のプロジェクトの一部をご紹介しています。これらの資料から、このユニットを通じて行われている生徒たちの思考の深さや協働の様子、そしてスキルの向上をご覧いただくことができます。 今後数週間にわたって、生徒たちはアイデアをさらに磨き上げ、審査員への最終プレゼンテーションに向けた準備をしていきます。このプロセスの中で、彼らの思考がどのように広がり、教科横断的な知識やスキルを結びつけ、現実社会の複雑な課題にどう取り組んでいくのか、楽しみにしています。

未来につながる価値を生むために

学校長 カーラ・マーシャル YIS は、常に学び続ける組織として進化を重ね、複雑化する世界のさまざまな課題やニーズに応え続けています。YIS が生徒、ご家庭、そして学校コミュニティのニーズに応え続けていくためには、本校の「インパクト戦略」を定期的に見直すことが不可欠です。戦略の見直しは、単に形式的な作業ではなく、生徒一人ひとりの学びと心身の健康と安全を支えるために何を維持し、何を改善すべきかについて、学校コミュニティの皆さまと対話する場所であるべきだと考えています。同様に、こうした対話を持つことは、今日の世界における教育の役割について、いったん立ち止まって根本から考え直す機会にもつながります。 例えば、私たちは次のような問いを自らに投げかけます。社会が急速に変化する中で、本校の教育プログラムがどれほどこの変化に即したものになっているのか。さらに発展させていくべき分野に適切に対応していくためには、私たちの意識や考え方をどのように変えていくべきなのか、と。 このように深く考察していくことで、YIS は現段階で「インパクト戦略」が、本校のミッション、ビジョン、価値観、そして学校コミュニティのニーズと合致しているかどうかを判断することができます。ですが、これは私たちだけでは成し遂げることはできません。皆さまのお声を聞かせていただくことが必要なのです。皆さまのご意見は、私たちの考えをいま一度見直し、新たに生まれつつあるニーズを見極め、将来の計画に学校コミュニティの意見を確実に反映させるうえで重要な役割を果たします。 これを踏まえ、今後の学校の方向性について考える意見交換会の開催を予定しておりますので、以下のとおりご案内申し上げます。2回のセッションのうち、いずれかにぜひご参加いただければ幸いです。 こちらの保護者向けワークショップは、4月に以下の日程で開催いたします。このワークショップでは、これまでに行なってきた保護者の皆さまとの意見交換から明らかになった主な課題を共有させていただきます。また、今後3~5年の「インパクト戦略」の方向性を形づくるにあたり、皆さまのご意見をお聞かせ願えれば幸いです。 4月14日(火)午前8時30分~午前9時45分 於:モミジ/サクラ・ルーム 4月21日(火)午前8時30分~午前9時45分 於:モミジ/サクラ・ルーム 各セッションでは、短いプレゼンテーションの後、少人数に分かれてディスカッションを行い、学校の今後の方向性を導くためのアイデアやご意見をお聞かせいただく時間としたいと思います。 参加ご希望の方は、こちらのフォームから参加登録を行ってください。引き続き YIS の未来をともに創っていくために、皆さまの貴重なご意見をお聞かせいただければ幸いです。

学ぶ側から奉仕する側へ

私が横浜インターナショナルスクールに通い始めたのは1970年代初頭のことです。当時は両親がロサンゼルスかハワイに戻る予定だったため、ここに長くいる予定ではありませんでした。しかし、あれから数十年後、今度は息子が私と同じようにこの学校に通うようになり、いつの間にか私たちは日本に生活の拠点を置くことになっていました。私たちが世代を越えて日本で暮らし続けるようになったのは、まさに YIS が理由だったのです。そして2026年現在、今度は理事会の監査役として、私は今もこの学校に関わり続けています。 YIS 理事会は、さまざまな世代と国際的なバックグラウンドを持つメンバーで構成されており、まるで多様な要素が織り合わさったタペストリーのようです。かつての同級生もいれば、仕事を通じて知り合った仲間、そして理事会の活動や集まりで新たに出会った方々もいます。これは単にこれまでのご縁というだけでなく、信頼と敬意によって益々深まり続けるネットワークだと感じています。100年という長い歴史のなかで、人々は YIS に戻り、それぞれの思いを次世代に繋げてきました。この連続性こそが、この学校の豊かな文化と、時を超えて続く確固たる基盤を築いてきたのです。母校をより良くするために何十年経ってもここに戻ってくる方々に、心から深い敬意を表します。私もその「調和」の精神を受け継ぎ、この学校に奉仕し続けていきたいと思います。 ガバナンス監査役 グラント・ミカサ

いつもとはひと味違う夏:2026 YIS サマースクールのご案内

サマースクール・ディレクター ジェイ・ブラウンリッグ 「2026 YIS サマースクール:探究・創造・つながり」を、6月22日(月)から7月3日(金)までの2週間にわたり開催いたします。この期間、YIS キャンパスはイノベーションと探究、そして多彩な活動に満ちた学びの場となります。 コミュニティとともに進化するサマースクール 私たちは、最良のプログラムは協働作業によって生まれると考えています。今年のサマースクールは、生徒や保護者の皆さまから寄せられたご意見をもとに企画しました。専門性の高いプログラムや、上級生向けのより深い学び、そして語学クラスの拡充など、皆様からいただいたご要望にお応えする内容となっています。 特にご注目いただきたいのは、今年新しく開講する言語に特化した2つのプログラムです。低学年向けの「日本語イマージョンクラス」(4、5年生対象)は、日本語に堪能な生徒が、より複雑なテーマをすべて日本語で学び、探究するプログラムです。また、「中学生日本語Bコース」では、創意工夫に富んだ言語習得アプローチを採用し、日本の歌・舞踊・文化伝統について学びながら、読解力とコミュニケーション能力の強化を目指します。 好奇心を刺激する小学部プログラム 小学部プログラムは、従来どおり、教科の枠を越えた学びと遊びの要素を大切にしたアプローチを採用し、「全人的な子ども(ホール・チャイルド)」の成長を育む内容となっています。読み書きや数の理解といった基礎的な学びに加え、ものづくりを通して学ぶ「メーカー・アワー(Maker Hours)」や芸術表現、社会性や情緒の発達を促す活動などをバランスよく組み合わせることで、生徒たちの好奇心を引き出しながら、新しい学年での学びに向けた準備をします。 中学部・高等部プログラム:学びを深める「ディープ・ダイブ」革命 中学部・高等部の生徒対象のプログラムでは、従来のローテーション形式から、シンクタンク型・スタジオ型に発展させました。今年はプログラムを全面的に見直し、生徒一人ひとりが主体となって学びを深めることができ、まるで専門的なクリエイティブ・ラボで学ぶかのような内容となっています。デジタルクリエーションや社会課題解決型の起業(ソーシャル・アントレナーシップ)について学ぶマスタークラス、さらには競技ゲームにおける戦略的思考を学ぶプログラムなどの中から、生徒たちは自身の興味や将来の目標に合ったものを選択し、個々の学びと探究を深めてゆきます。 体も心もアクティブに 教室での学びに加え、毎年人気の「ドラゴン・スポーツ・キャンプ」を今年も開催いたします。専門コーチによるバスケットボールとサッカーの指導に加え、今回新たに高学年の生徒を対象とした「ラーン・トゥ・スイム」プログラムを開講します。このプログラムでは、プールが初めての生徒でも、水辺での安全についての基本的な知識と自信を身に着けることができるようになっています。 皆さまのお申込みをお待ちしております! 2026 YIS サマースクールは、キンダーガーデンから12年生までの YIS 在校生および外部生を対象に開催されます。ドラゴン・ダイニングによるヘルシーで栄養バランスのとれたランチと、発見や探究を重視したカリキュラムで、学びと交流に満ちた思い出に残る2週間となることでしょう。 お申込み受付を開始しました。本校ウェブサイトでコース一覧をご覧いただき、お早めにお申込みください。ご質問がございましたら、[email protected] までお気軽にお問い合わせください。

本棚のその先へ:YIS 図書委員会による学校コミュニティへの貢献

図書室司書 チャリティ・キャントリー, ジェニファー・ギブソン-ミリス & ジャンシー・クラーク 本校の図書室は、生徒たちの探究活動と協働作業の場として中心的な役割を担っています。今年度は、小学部・中学部・高等部の図書委員会が中心となり、意義深い取り組みや創意工夫溢れるプロジェクトを企画し、本校の読書文化づくりに積極的に貢献しています。私たちの図書室を誰もが利用でき、本当の意味で生徒中心の空間にするために、図書委員会の生徒たちが実際にどのような取り組みを行っているのかをここでご紹介したいと思います。 小学部図書委員会 小学部図書員会は、図書室に大胆なアイデアと生徒たちの声を届けるために、さまざまな活動に取り組んでいます。生徒たちは、図書室の取り組みをさらに充実させるために、工夫を凝らした本のディスプレイづくりや楽しい試読会(ブック・テイスティング)の開催、しおりデザインコンテストの企画など、さまざまな提案を出し合いました。 委員会のメンバーたちはお互いに協力して、図書室をより居心地よく、もっと利用しやすい空間にするためにはどうすればよいかについても話し合ってきました。その中で、本のテーマ別ディスプレイや分かりやすい案内表示、生徒が新しいジャンルの本に出会えるようなインタラクティブな仕掛けなど、多くのアイデアが提案されています。 さらに、生徒たちがいつも楽しみにしている本の読み聞かせについても意見を交わし、このような読書の共有体験を通して、自分たちが関心を持っているトピックやテーマへの関わり方をどのように深めていけるかについても考えました。こうした話し合いやデザイン活動を通じて、生徒たちは自分たちの関心や読書への思いが反映された図書室づくりに主体的に関わっています。 中学部図書員会 中学部図書委員会は、中学部の生徒たちの読書活動を推進し、図書室の利用を広げるためのさまざまな取り組みを行っています。今年度の始めには、中学部のホームルーム対抗で「ハリー・ポッター・ブック・トレイラー・コンテスト」を開催し、6Dが見事優勝を果たしました。 また、「読書の楽しさ」を広めるため、バレンタインデーに合わせて「ブラインド・ブック・デート」というイベントも実施しました。このイベントは、表紙を隠した本の中から、冒頭の一行だけを手がかりに本を選ぶというもので、生徒たちは、普段は手に取ることのないジャンルの本に出会う機会を得ることができました。 現在開催中の「マーチ・マッドネス・ブック・トーナメント」は、ホームルームごとにお気に入りの一冊を推薦して、優勝作品を決めるイベントです。どのホームルームの本が選ばれるのか、今から結果がとても楽しみです。 中学部図書委員会では、今後も「リトル・フリー・ライブラリー」の設置やプロモーション動画の制作など、様々な企画を予定しています。どうぞご期待ください。 高等部図書委員会 今年度の高等部図書委員会は、学校コミュニティのつながりを深めることを活動の中心としてきました。その一環として、小学部2年生を対象に、少人数グループでのガイド付き読書セッションを毎週実施しています。このセッションでは、低学年の生徒の読書力向上をサポートするとともに、子どもたちが読書に対する自信を育み、本を読む楽しさを感じられるように支援しています。 また、生徒たちが図書室を自由に利用でき、自分で本を見つけられるよう、より使いやすい図書室づくりにも取り組んできました。さらに、9年生の英語クラスと協力して「シークレット・サンタ」形式の図書交換会を企画し、図書室の利用を促すとともに、生徒同士のおすすめを通して新たな本に出会う機会をつくりました。 今年度の終わりまでに、世界中の子どもの識字力向上と女子教育を推進する団体「ルーム・トゥ・リード(Room to Read)」を支援するために、「Read-a-Thon(読書マラソン)」形式の募金活動を計画しています。このような識字教育支援を通じて、私たちの支援の輪を学校コミュニティの枠を越えて広げていきたいと考えています。   小学部・中学部・高等部の図書委員会は、それぞれ異なる視点やアイデアを、図書室の活動にもたらしてくれています。ですが、そこには本校の読書文化をさらに豊かなものにし、学校コミュニティの絆を深めるという共通の目的があります。生徒たちは、図書委員会による様々な取り組みを通じて、より居心地が良く、誰もが利用しやすく、生徒たちのニーズに応える図書室を目指して環境づくりを行っています。同時に、こうした活動は読書力向上を支えるだけでなく、生徒自身が学校生活に意義あるかたちでどのように貢献できるかを学ぶ、良い機会にもなっています。  

社会に貢献する力

私はデンマークの小さな田舎町のコミュニティで育ちました。そのため、息子が YIS のような国際色豊かな学校に通えていることに深く感謝しています。私どもの家庭はデンマークと日本にルーツを持っているということもあり(妻は横浜育ちです)、この環境がいかに特別なものであるかを強く実感しています。  一見すると、現在息子が育っている世界は、私自身が育った環境とは大きく異なっているように思えます。ですが、もう少し掘り下げてみると、そこには多くの共通点があることに気づきます。私は、自分が属するコミュニティに貢献し、恩返しをすることが何よりも大切だという価値観のもとで育ちました。幼い頃から、ボーイスカウトや地域のスポーツチームでの活動を通じて、ボランティアとして地域社会に貢献することが生活の一部になっていました。 20年間アジアで生活をしたあとに日本に移り、2022年8月に初めて YIS を訪れた際、ここにも同じようなコミュニティ精神が流れているのを感じ、大変居心地よく感じられました。 現在、私は国際物流を手がけるグローバル企業で、日本を拠点とするチームを率いています。仕事では、長期的な視野に立った思考、規律あるガバナンスの実践、そして多様な文化的背景をもつメンバーと協力することが求められるのですが、これらの経験や視点は、理事会での役割においても大いに活かされると考えています。 こうした思いもあり、2023年8月にガバナンス監査役として理事会に加わらせていただきました。私は、YIS が健全で透明性の高い運営体制のもと、前向きな姿勢を保ちつづけることができるよう、献身的で思慮深い理事の皆さまとともに働けることを大変光栄に思っています。本校の歴史を大切にし、未来のドラゴンズたちが今後も重要な節目や記念すべき年を祝っていける、そのための基盤を築き上げること、それこそが私の願いです。 ガバナンス監査役 ラスムス タケチ-ハンセン