ELC ナイト

ELC Co-Lead Teacher(共同担任)ネル・コックス 毎年、 ELC2 の生徒たちは、探検プログラムの一環として、夜のキャンパス探検に参加します。この夜の計画と企画は、生徒たち自身が責任を持って行います。そのため、毎年恒例の行事ではありますが、その内容は各グループによってまったく異なるものになります。このように具体的な活動内容はさまざまである一方で、各グループの探求を通して、ひとつの共通したテーマが浮かび上がってきます。それは、「恐怖とどう向き合うか」、そして「恐怖に直面した時に、自分はどのようなあり方を選ぶのか」という問いです。 昨年の探求は、ELC にやってくるお化けの話を軸に展開され、その過程で二つの相反する視点が生まれました。それは、お化けを捕まえるのか、それとも友達になるのか、というものです。未知のものに遭遇したとき、私たちは自分の身の安全を最優先し、相手を遠ざけ、外に閉め出してしまうのでしょうか。それとも、恐怖を感じながらも、あえて自分をさらけ出し、心を開いてつながりを求めようとするのでしょうか。この人間として普遍的な問いに向き合うことは、いままさに世界中で多くの人々が重大な結果を伴う選択をしている現状を目の当たりにしている私たちにとって、ひときわタイムリーであり、重要な意味を持っているように感じられます。 中には、お化けを捕まえることと、友達になることの両方を同時に望む子どもたちもいました。彼らは、お化けと友情を築くことから得られるメリットを求めていたわけですが、それはあくまでも絶対的な安全が確保され、自らの弱さを一切見せる必要がない環境であれば、という条件付きのものでした。 夕暮れ時に ELC から公園へ移動すると、生徒たちの雰囲気や意図に明らかな変化がみられました。出発前には、ほとんどの子どもがお化けを見つけて仲良くなりたいと話していました。ですが、暗くなった公園に足を踏み入れた途端、多くの子どもたちが「やっぱりお化けは何か悪いことをしようとしているんじゃないか」と言い始め、再び罠や牢屋、さらには警察の出動を求める声まで上がるようになりました。この様子は、自分の安全が脅かされていると感じた瞬間に、人間に本来備わっているはずの優しさや、自分の弱いところも含めたありのままの自分であろうとする力が、どれほど大きく損なわれてしまうかを想起させるものでした。 ですが、生徒たちにとって馴染み深く、安全で居心地が良く、心理的に安心できる ELC に戻ってくると、子どもたちの喜びや驚き、好奇心、そしてありのままの自分が、再び豊かに溢れ出しました。子どもたちは、自分たちがいない間にお化けが本当にやって来て、遊び、用意されていたおもちゃや食べ物を楽しんだようだ、という話に興奮を隠しきれず、とても嬉しそうに話していました。安心感が得られる安全な環境の中で、生徒たちは、これまで以上の立ち直る力と、自分の弱い部分も見せて、ありのままの自分でいようとする力を発揮していました。 このグループの中には、周りの思考の探究に同調を拒む生徒がいたのですが、この生徒の存在が持つ意味について、私は今もなお考え続けています。お化けは「悪者」であり、捕らえ、罰せられるべきだという考えを最後まで貫いていた生徒がひとりいたのです。自ら実際に探求活動に参加し、周りの子どもたちの考えや見方が変わっていく様子を目の当たりにしながらも、自らの前提を決して曲げることのなかったこの生徒から、私たちは何を読み取ることができるのでしょうか。 これとは対象的に、暗がりの公園に広がる恐怖と不安の中でも、「お化けとだって友達になるべきで、絶対に傷つけたりしてはいけないんだよ」と、友だちに繰り返し伝え続けていた子どもがひとりいました。恐怖のただ中にあっても、愛や他者とのつながりを選択するという、人としての可能性について、私たちはこの子どもから何を学ぶことができるのでしょうか。

Night at the ELC

By Nelle Cox, ELC Co-Lead Teacher As part of the expedition programme at YIS, our ELC2 learners are invited to spend an evening exploring the campus at night, taking responsibility […]